BCP(ビー・シー・ピー)とは
BCP(ビー・シー・ピー)とは、 Business Continuity Plan の略称で、業務継続計画と訳されます。新型コロナウイルス等感染症や大地震などの災害が発生すると、通常通りに業務を実施することが困難になります。まず、業務を中断させないように準備するとともに、中断した場合でも優先業務を実施するため、あらかじめ検討した方策を計画書としてまとめておくことが重要です。
BCP の特徴として、災害等が発生した後に速やかに復旧させることが重要ですが、その前に「重要な事業を中断させない」という点が挙げられます。内閣府「事業継続ガイドライン-あらゆる危機的事象を乗り越えるための戦略と対応-平成 25 年8月改定)」では、以下のとおり定義されています。
『大地震等の自然災害、感染症のまん延、テロ等の事件、大事故、サプライチェーン(供給網)の途絶、突発的な経営環境の変化など不測の事態が発生しても、重要な事業を中断させない、または中断しても可能な限り短い期間で復旧させるための方針、体制、手順等を示した計画のことを事業継続計画(Business Continuity Plan、BCP)と呼ぶ。』
BCP において重要な取組は、例えば、
・各担当者をあらかじめ決めておくこと(誰が、いつ、何をするか)
・連絡先をあらかじめ整理しておくこと
・必要な物資をあらかじめ整理、準備しておくこと
・上記を組織で共有すること
・定期的に見直し、必要に応じて研修・訓練を行うこと
等が挙げられます。
引用:介護施設・事業所における自然災害発生時の業務継続ガイドライン(令和2年12月 厚生労働省老健局)
訪問看護ステーションにおけるBCPの目的
訪問看護ステーションにおけるBCPの目的は、災害時に職員の安全を確保しつつ、利用者の生命と生活を維持するために看護サービスの提供を継続させ、地域の医療・介護資源である訪問看護ステーションを存続させることです。そのためには、平時から、災害が発生し被災することを想定して、訪問看護ステーションの事業が回復し、復旧するための事業継続計画を立てておくことが必要です。
また、訪問看護ステーションのBCPでは、平時から連携している地域の訪問看護ステーション、医療機関、介護事業所や施設、行政等の多様な関係者と相互支援しつつ危機的状況を解決する必要があります。よって、平時から事前に話し合い災害時の協力体制等を決めておく必要があります。当ステーションでは一人一人お住まいの地区のハザードマップを用い、災害発生時のライフラインの確保や医療資源へのアクセスが滞らないよう計画を立てて参ります。